登山に体力が必要ってことは分かるけど・・・・どうすればいい?
でも大丈夫!ポイントを抑えれば、自宅でトレーニングできます!
近年、「疲労による行動不能」での遭難が増えています。転倒や滑落などのトラブルは、疲労による集中力や筋力が低下する下りで起こります。
登山は、登るだけでなく、余裕をもって帰って来れるだけの十分な体力が必要です。
ですので、これから登山を始める方はもとより、すでに趣味で登山を楽しんでいる方も、しっかりとしたトレーニングをしておきたいですね。
普段の生活の中で、体力を維持・向上することは大変ですが、皆さんが知っている筋トレでも、山歩きを想定して行えば、自宅でも「山トレ」できます!
登山歴8年の私が、実際に登山してしたほうが良いと感じたトレーニングを紹介します。
登山はスポーツ!?トレーニングは大切!
登山に必要なのは「ただの体力」だけだと思っていませんか?
実は、登山では筋力やスタミナだけでなく、集中力・判断力・補給のスキルまでが総合的に求められます。
この章では、登山に必要な「力」には何があるのか、そしてなぜトレーニングが重要なのかを解説します。
闇雲に筋トレやランニングをするのではなく、「登山のために鍛えるべきポイント」を理解することが、安全で楽しい山行の第一歩になります。
登山を安全に楽しむためには、事前のトレーニングが欠かせません。
登山は、平地を歩くのとはまったく異なり、身体に大きな負荷がかかるアクティビティです。 特に下山時には、疲労による筋力・集中力の低下が原因で転倒・滑落するリスクが高まります。
だからこそ、本番(登山)に向けた“練習”としてのトレーニングが必要なのです。
登山で求められる主な要素は以下の通りです。
- 登り・下りに対応できる脚まわりの筋力
- 長時間の行動を支えるスタミナ
- 高地や寒冷地でも安定する心肺機能
- 崖やガレ場での集中力と冷静な判断力
- 安全な歩行フォームと補給スキル(栄養・水分)
これらを無視して山に入ると、疲労によって判断ミスが起きたり、事故のリスクが一気に高まります。
登山は、ただのレジャーではなく“試合”。
トレーニングはそのための“練習”です。
特にソロ登山では、自分の身を守るのは自分だけ。
「登れる体」と「下山できる体」を日々つくっておくことが、安全登山の基本です。
次の章では、私自身が自宅で行っている、登山に直結するトレーニングメニューを厳選して紹介します。
器具なしで始められるものもあるので、今日からでも気軽に始められますよ!
私が自宅で実践しているトレーニング4選
やっぱり、トレーニングは面倒くさい!わかります!
私だって、毎日欠かさず・・・・やっているわけではありません!
なので、5分くらいでできる「続けられる自宅トレーニング」を紹介します。まずは、気楽に始めましょう。
スクワット
定番ですね。でも、無理がないようにしましょう。
基本的には、「膝の位置が足先より前に出ないように、そそて、股が水平になるくらい下げる・・・」ですが、これって結構きついですね。
私の場合、登山を始めたころは、スクワットをすると膝が痛くなってしまう、ということがありました。
ですので、中高年の方や、いままで運動をしてこなかった方は、もっと浅いスクワットから始め、徐々に深くしていけばよいでしょう。
自分流!深めのスクワット
もう少し、登山を想定したトレーニングをしてみましょう。
中級レベルの山に登り始めると、手も使って登る岩場を登ることがあります。
このときは、足を高く上げ、そこから脚力を使って、体を持ち上げる事になります。
ですので、私は、完全にしゃがんだ状態から、立ち上がる練習もしています。
ランジ
ランジには、バランス感覚を養う効果があります。
基本的に、登山道は足場が悪いです。ですので、バランスを調整する筋肉も鍛えておくべきです。
フロントランジ、バックランジで、体がぶれないように心がけるとよいでしょう。
おまけ
下半身ばかりではバランスが悪いので、上半身も鍛えています。私はクライミングはしませんが、鎖場や岩場では、腕の筋肉も使って体を持ち上げることもあります。また、重たいザックを持ち上げたり・・・。
なので、ぶら下がり健康器で懸垂の練習によって、体を引き上げる力を付けるようにしています。
トレーニングジムなどで教えてもらえる筋トレ方法も、登山のシチュエーションをイメージして、場合によっては少しアレンジしたりすれば、筋トレも「山トレ」にできるでしょう。
でも、無理は禁物ですよ。我流すぎるトレーニングで怪我をしては、何にもなりませんから。
通勤時や職場でも!自宅外での私のトレーニングはこれ!
一番実践しやすいのは、やはり、日常生活の中で行う「ながらトレーニング」ですね。
ウォーキング・ジョギング通勤
登山のための心肺機能を鍛えるには、ジョギングが効果的です。
登山中は長時間の有酸素運動が続くため、心肺の持久力が不可欠。
特に登りでは心拍数が上がる場面が多く、運動強度も高めになります。
私の場合は週に1〜2回、片道約6.5kmの距離をウォーキングかジョギングで通勤しています。
ペースは1kmあたり7分強のゆっくりペース。信号が青のときは、軽くダッシュも入れます。
スマートウォッチでペースや心拍数をチェックしながら、トレーニングとして意識しています。
心肺機能を高めたいなら、日常の移動を「運動の時間」に変えてみましょう。
階段
階段は、登山に最も近いトレーニング方法です。
しかし、ただ上り下りするだけでは勿体ないです。階段を使うときのポイントを2つお伝えします。
POINT1.上がるときも降りるときも、1段飛ばしで!
せっかくなので、負荷をかけましょう。初めはきついですが、続けていれば、心拍数の上昇も、呼吸も楽になっていきます。回復も早くなりますよ。
ただ、階段を1段飛ばしで降りるときは、膝に負担がかかるので、初めは手すりにつかまりながら降りると良いでしょう。
POINT2.接地は静かに!
上るときも降りるときも、なるべく足音を立てないように静かに接地するようにしましょう。
これは、足場の悪いガレ場を登るときを想定してのことです。
登山では、足元の石を動かさないように登らなければなりません。
着地によって石を動かしてしまい、その石を下に落とそうものなら、下を歩く登山者に当たる可能性があり、とても危険です。
階段は、登山道と思って使いましょう。
低山登山
低山登山は、それ自体楽しいものですし、大きな山に向けての良い練習になります。
結局のところ、登山に必要な体力は、登山でしか鍛えられません。私はいつも、そう実感します。
ただ、低山といえど、注意しなければならない点もあります。
POINT1.「低山=簡単」ではない
低山でも、鎖場や梯子、滑りやすい道、春先には残雪など、危険な要素がたくさんあります。転倒して、当たり所が悪いと、大きな事故になってしまいます。
POINT2.低山で多い「道迷い」
低山での遭難理由で一番多いのが「道迷い」です。
登山者の少ない道は、整備されておらず、わかりにくくなっていたり、林業の方が木の幹に巻き付けている印を、登山道の印と間違えて、登山道から外れてしまったり。
ですので、
- 地図&コンパス(スマホでもOK)を傾向する
- 不安になったら来た道を戻る
- 計画していたコースを、その場の思い付きで変更したりしない
など、登山の基本を守りましょう。
山トレの成果はスマートウォッチで確認
自分の体の状態を、客観的に知りたいと思いませんか?
トレーニングは地道な作業です。成果はなかなか見えてきません。
そんな方には、スマートウォッチが便利です。
スマートウォッチは、心拍数を見ることができます。一度スマートウォッチを付けて登山をして、自分の心拍数の範囲を調べ、その心拍数を基準に、トレーニングすることができます。
また、スマートウォッチは、心拍数だけでなく、睡眠の質、消費カロリー、歩数、最大酸素摂取量、その他たくさんのデータを取得してくれます。
登山のためだけでなく、普段の健康管理にも使えます。もちろん医療機器ではないので、正確性は保証されませんが、トレーニングしたことによって、以前より値が改善されたりすると楽しいです。また頑張ろうと思います。
選ぶポイントは、長く付き合っていけそうなものがいいです。
メーカーや機種を変えてしまうと、測定方法や計算方法が変わってしまい、過去のデータと比較できなくなるからです。
多少高価でも、気に入った物を選びましょう!
山トレにエアロバイクってどうなの?
スマートウォッチで体の変化が“見える化”できると、
「もっと効率よく鍛える方法ってないかな?」と考えるようになりました。
そんなときに多くの人が一度は思いつくのが、家にある“エアロバイク”の活用。
実際、私も「登山トレに使えそう!」と取り入れたことがあります。
ここでは、エアロバイクが登山トレーニングにどの程度効果があるのか?
また、どんな目的なら有効活用できるのか?をお伝えします。
あくまで私見ではありますが、登山のためのトレーニングとしてエアロバイクを使用するのは、効果は限定的かなと思います。
なぜなら、エアロバイクを漕ぐ時の筋肉と、山を登り下りする時に使う筋肉は異なるからです。
足の筋肉で一番大きいのは大腿四頭筋ですが、その他にもたくさんの筋肉があり、それぞれに役割があります。運動が違えば、使う筋肉も異なります。
登山のためのエアロバイクで、効果があるのは心肺機能の向上ではないでしょうか。
エアロバイクは登山に対する効果はゼロということはなく、膝に負担がかかりにくいですし、ダイエットも兼ねて・・・であればよいのではないでしょうか。
エアロバイクは、登山の「主力トレーニング」ではありませんが、
無理なく継続しやすく、心肺や基礎体力の維持には役立ちます。
「使えるけど、頼りすぎない」
そんなバランス感覚で取り入れれば、登山トレの良いサポートになってくれるでしょう。
最強の山トレ法!それは「継続」!
限られた時間の中で、登山力を鍛えることは大変です。仕事から疲れて帰ってきて、「さぁ、トレーニングだ」とは、なかなか難しいですよね。
自分で決めたスクワットやランジの回数をこなさなければ・・・なんて、楽しくないですし、長続きしません。
だから、自宅でのトレーニングは毎日でなくてもいい、気休め程度でもいい、継続させることが大事です。
運動すると、体はしばらくの間は運動したことを覚えています。完全に体が休んでしまうまでに、体が運動したことを忘れないうちに、次の運動をすれば効果は必ず出てきます。
「継続は力なり」です。
最後に、ご紹介したポイントは以下の通りです。
- 登山は「心・技・体」が必要なスポーツ。
- 自宅で行うトレーニングは、単なる「筋トレ」としてではなく、「山トレ」として意識する。
- 長続きのためにも「ながらトレーニング」も効果大。
- 低山でも、基本を忘れるべからず
- 「継続は力なり」
安全第一で、登山を楽しみましょう!
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